心に届く歌
-7- Leave







☆シエルside☆






「シエルくん」




学校から帰り、寮の部屋に戻ろうとすると、管理人のおじさんに呼び止められた。




「明日、新しいメイドさんと執事さんが5階に入ってくるんだ。
挨拶に来ると思うよ」


「わかりました」




寮に新しく入る人は、住んでいる人への挨拶回りを管理人さんとするのが決まり。

僕も寮に入った当時は挨拶回りをしたことを思い出した。




部屋に入り、制服を脱ぎ執事服に着替える。

まだ着慣れていないな。

全身鏡で見て、僕はエル様の部屋に向かった。





「シエル。お帰りなさい」


「ただいま帰りました、エル様」


「そろそろ来ると思うわ」




間もなく、メイド長が部屋に入る。

ガラガラと紅茶を淹れるためのセットが乗ったワゴンを持ってきた。




「では始めさせていただきます」


「よろしくお願い致します」




メイド長が紅茶を淹れ始める。

エル様と僕はそれをジッと見つめ、頭に淹れ方を覚えていた。





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