心に届く歌
それから数週間後。
朝5時、僕はソレイユ家の郵便ポストの前に立っていた。
今日、テスト順位が新聞に掲載され各家庭に運ばれる日。
気になりすぎて眠れなかった僕は、朝5時に待つことにしたのだ。
「シエル」
「え、エル様?」
「早起きね。そんなに結果が気になるかしら?」
夏用の涼しそうなワンピース姿で、エル様がお屋敷から出てくる。
「気になります」
「合格点いけると良いわね。
まぁいけなくても、わたしが力ずくでシエルを執事にするけどね」
「ありがとうございますエル様。
でも僕、自分の実力で執事になりたいんです」
「……シエル、素敵。前向きになったわね」
「……ありがとうございます」
僕たちの間に沈黙が広がる。
好きだけど……ずっと、あなたの幸せを僕は願っているから。
「シエル、郵便屋さんが来たわよ」
「え?」
見ると、バイクに乗った郵便屋さんが見えてくる。
僕は手渡しで新聞を受け取った。
そしてぺらぺらな新聞を、その場でめくって結果を探した。
【ソレイユ王国学力テスト(1000点満点)】
ページを見つけ、自分の名前とアンスの名前を探していく。
【3位
アンス・クザン 994点】
アンスが3位……!?
頭良いんだな…アンス。
【2位
シエル・セレーネ 995点】
「……あった。あり、ました」
「え?何位?」
「……2位、です。995点で」
新聞の紙に、ポタリと涙が零れ落ちる。
グシャリと新聞がゆがんだ。
「やった……良かった…!」
「おめでとうシエル!!」
朝独特の空気の中、パチパチと響くエル様の拍手。
「ありがとうございます」とお礼を言いふと新聞を見ると、1位の名前が目にとまった。
【1位
エル・ソレイユ 999点】
…………は?