ポラリスの贈りもの

私と夏鈴さんが、お互いの恋の想いを打ち明け談義をしている時。
スターメソッドの一階の駐車場に向かう通路に、
話題の中心人物である北斗さんは居た。
蛍光燈の白い灯りに照らされて、
彼は力なく項垂れているカレンさんの両肩に手をかけ、
その場に膝摩づくと後ろから優しく抱きしめる。
しゃがみ込み泣き崩れる彼女のすすり泣く声が、
ひんやりと冷たく静かな廊下に響いていた。
しかし、その悲痛な声に交じって通常なら考えられない、
不気味なある音が廊下に響き渡る。
それは、誰かが必死でシャッターを切るカメラの連写音だった。



カシャーカシャーカシャー…(カメラのシャッター音)

(続く)


この物語はフィクションです。

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