約束のキミを。
第三章~友達~

ケンカ

「まー、話はこれくらいにして、勉強始めようか。」
和斗は、眼鏡をかけながら言った。
眼鏡姿の和斗も知的でかっこいい!

「えーー。もっと、いろんなお話し聞かせてほしいなぁ。今日は、お勉強お休みしませんか?」


私が、甘えた目でうるうると見つめると、

「はぁー。しょうがないなぁー。」


和斗は、呆れたように言う。

ほんとに、和斗はシスコンなんだから。私に甘すぎ!

「やった!ねぇねぇー、英語の本三冊読み終わったよ」

「じゃあわ、今度、続き持ってくる。」
和斗が、私の頭をよしよしと撫でた。


ガラッ

ドアが開いていて、レンが驚いた顔でこっちを見ている。

「何してんの!てか、和斗がなんでここに?」


レンは、驚いて戸惑っている感じだ。

仲がそんなに良くないのは本当みたいだ…。

「何って…。かわいい美空に会うために来ちゃダメか?。」

からかうように和斗は言うと、私を抱き寄せた。

「ちょ!!和斗!何言ってるの!?」
私は、慌ててしまう。

「みく、和斗と付き合ってるの?」

レンは、珍しく硬い表情で聞いてきた。


「いやいや、だから違うよ!いとこだよ!いーとーこー!和斗の父親とと私の父親が兄弟なの」

私が、答えると、レンは、安心したように、息を吐いた。

二人が目の前に並ぶと、レンと和斗だと断然和斗のほうが身長が高い。

いつも、穏やかな和斗がこんな風になるのは意外で驚きだ。

「びっくりしたー!和斗!からかっただろ!」

和斗を見上げて、文句言う姿は本当に、キャンキャン吠える子犬みたいに見えてしまう。

「普通、美空と俺の名字が一緒な時点で気付け!ほんと、お前は、相変わらずだな。」

和斗は、なだめる様に言うけど、挑発にしか聞こえない響きだ。

「和斗もな!みくと全然似てないもん!」

レンはふてくされ気味に言う。


「あ、うん。だっていとこだと血筋も薄いし、私は、お母さん外国人だから、そっちの血も入ってるし、あんまり似てないよ」
私が、言う。

「いや、性格がだよ!和斗はすごくむかつくー!」
レンがむくれる。

「はいはい。ムカついて悪かったな。」
和斗は軽く、レンを流すと、時計をチラリと見て、
「あ、悪い、美空。俺体育祭の話し合いがあってそろそろ行かなきゃいけないんだ。ごめんな。」
私に、優しく笑った。

「気にしないで!忙しいのにごめんなさい。」

「いいんだ。俺が来たくてきてるんだから。」

私達が話すと


「俺と全然反応違う…。」

レンはいじけている。けど、和斗は私ににこやかに手を振ると、レンのことは気にせずさっさと、病室から出て行ってしまった。









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