ブラッド
第26章
     26
 相変わらず、事件に関する手掛かりが見つからないまま、時間だけが過ぎていった。


 週が一つ明け、水曜になる。


 朝起きて、キッチンでコーヒーを一杯淹れて飲み、カバンを持って署へと向かった。


 何かしら気分が冴えない。


 過労が続いているからだろうか?


 大変なヤマを引き受けたものだ。


 そう思える。


 署に行き、刑事課にある捜査本部に入って、事務作業を始めた。


 午前8時を回る頃で、デカも動き出している。


 パソコンのキーを叩き、文書などを作成した。


 課内庶務は大抵、内勤の女性警察官などがやっていて、俺も伊里町もあまりやらない。


 朝から、どこかイライラが募っていた。

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