ブラッド
 ここは気を落ち着けて、だ。


 伊里町と共に外回りに出たのは、午前9時半を回る頃で、何かと気鬱だった。


 街は連日曇りや雨の天気で、心は晴れない。


 現場を何度も見る。


 金子が殺害された駅前、そして工藤の死体が遺棄されていた湾岸倉庫――。


 何かしら手掛かりはないか?


 探し続ける。


 外回りの刑事は俺たちだけじゃない。


 他にG県警の一課の人間たちもいる。


 だが、何も得られない。


 空振りが続いた。


 俺も伊里町もホシを探していて、必死になってはいるのだが……。


 いずれは広域連携捜査が行われるだろう。
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