ブラッド
第27章
     27
 G市を中心に、絶えず捜査する。


 連日辛い。


 俺も伊里町も必死になっていた。


 捜査本部に戻れば、捜査報告等の事務作業を済ませて、帰宅する。


 いろいろと考えることがあった。


 捜査に出ながらも……。


 G県警組対課の元警官である下古毛充に教唆され、三宅元警部補を撃った段野隼人は起訴済みだが、下古毛は逃亡中だ。


 篠原や羽野と同じく。


 日々疲れていた。


 金曜の朝、自宅マンションで通常通り起き出し、コーヒーを一杯淹れて飲む。 


 そして上下ともスーツに着替え、帳場のある所轄へと向かった。


 足取りは重たい。
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