ブラッド
 何かしらウンザリしていた。


 ずっと同じ調子だからだ。


 まあ、上の人間たちが「追え」と言っているのだから、止む無くやるのだが……。


 伊里町運転のタクシーの助手席に座って、可能な限り、前を見据える。


 走り出すと、無線が飛んできた。


 G県内での事件の情報は絶えず入ってくる。


 現場を見て回った。


 駅周辺や湾岸倉庫などを見続ける。


 昼になり、近くのコンビニで食事と飲み物を買った。


 車中で取り、また午後からも街を走る。


 何かしら、運の悪さはあった。


 従流会の構成員の関わる恐ろしいヤマに参加させられて……。


 だが、やるしかない。
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