ブラッド
第4章
     4
 その日、帳場で捜査会議が開かれ、伊里町と共に参加した。


 G県警の捜査員を含め、いろんな刑事たちがワンフロアに集まる。


 報告等を聞きながら、考えていた。


 今回のヤマに従流会が絡んでいるのは、ほぼ間違いないと。


 人を鉄パイプで撲殺するなど、まさに暴力団の殺人の手口そのものだ。


 現場近辺で皮膚片という、れっきとしたDNAを発見された篠原陽三が、捜査線上にある。


 会議そのものはまだ有力な手がかりが発見されておらず、空回りが続いた。


 だが、県警も所轄も捜査員は皆、嗅覚を働かせている。


 やはり暴力団捜査ということになるだろう。


 キナ臭い。


 関わりたくないのだが、事件は追いかけてくる。


 その日の会議終了から、数日間、捜査を続けた。
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