ブラッド
第29章
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 日々動く。


 捜査本部にいる時は、パソコンに向かい、事務作業をした。


 内勤と外勤の繰り返しで、時間が過ぎる。


 そしてまた時が流れ、その週も土曜になった。


 依然、篠原や羽野、下古毛など犯罪者たちは逃げ続けている。


 ヤツらは殺人事件に関わる重犯罪人だ。


 伊里町と組みながら、追っていた。


 昼間は相方が運転する警察車両“タクシー”で移動し、街を見る。


 確かにまるで蒸発したかのように、篠原たちはいなかった。
 

 不思議である。


 だが、時間が経過すると、自ずとそうなるのだ。


 そう認識していた。

 
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