ブラッド
「本当にすみません。俺も佐山も最初はそこまでする手筈じゃなかったもんですから」


「伊里町警部補。とにかく、今は共に戦いましょう」


「ええ」


 相方が山岡の言葉に頷く。


 街を回る時は、伊里町運転のタクシーと、山岡たちの乗ったJ県警の覆面パトカーが並走する。


 二台の車は走り続けた。


 G県やJ県の繁華街や郊外などを。


 組対のデカたちも動いているだろう。


 大抵、暴力団捜査では動くのである。


 気になっていた。


 あの連中はお忍びが得意だ。


 警察では異色の部署なのである。

< 187 / 349 >

この作品をシェア

pagetop