ブラッド
第39章
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 G県警組対課の元刑事である下古毛と、警視庁組対部の楠村大三は、裏で繋がっているものと目された。


 銃器に関してのマネーロンダリング容疑で。


 いずれ楠村も逮捕しないといけない。


 G県とJ県で事件捜査に奔走しながら、そう思っていた。


 そして時が過ぎ、その週も金曜になる。


 朝起きて、コーヒーを一杯飲んだ後、朝食を取った。
 

 何かと体がだるいのだが、私服からスーツに着替え、洗面してから、G県警の捜査本部がある所轄へと向かう。


 帳場に入り、事務作業などを行った。


 午前9時過ぎに伊里町がやってくる。


「佐山、捜査に行くぞ」


 相方がそう言って、俺の方を一瞥し、署付属の駐車場へと歩いていく。

 
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