ブラッド
 警察官が司法に関わると、何かと問題だ。
 

 だから、俺も暴力団捜査自体に接触したくない。


 もちろん、今回伊里町が付いてくれているが、安心安全とは言い難い。


 そして時が流れ、7月も過ぎ去っていく。


 朝はだるい。


 独り暮らしのマンションのキッチンスペースでコーヒーを一杯淹れ、朝食用に買っていたフルーツを口にしてから、支度をして出かける。


 事件の帳場がある署がすぐ近くなので、歩いていき、フロアの片隅で伊里町と顔を合わせた。


「おはようございます」


「ああ、おはよう」


 互いに言い交わし、デスクに座る。


「佐山」


「何ですか?」
< 26 / 349 >

この作品をシェア

pagetop