ブラッド
第7章
     7
 街を歩きながら、事件の手がかりを見つける。


 暑さで体が参っていた。


 時折スーツの袖を捲り、汗を拭う。


 そしてまた歩いていった。


 伊里町もさすがに日差しに照らされ続け、きついようだ。


 一日が終わると、捜査本部に戻る。


 帳場には刑事たちが集結していた。


 エアコンの風は相変わらず生温い。


 また汗が流れて、滴り落ちる。


 連日同じような感じで捜査が続いていた。


 進展はない。


 金子雅夫と工藤隆明の二人が相次いで殺された事件も、真相は闇の中だ。
< 30 / 349 >

この作品をシェア

pagetop