ブラッド
 と言った。


「ああ、まあ、そうだな」


「焦ると功を逃がしますよ」


「うん、分かってる。俺の悪い癖だ」


 相方はそう言って頷く。


 互いに感情や思いが、巧妙にクロスしていた。


 食事後、また捜索を開始する。


 刑事の仕事は傍から見るより大変だ。


 ホシを追うのがデカの仕事である。


 きついのだが、気を抜けない。


 駆け続ける。


 春の街を。


 天候は幾分悪かったのだが……。



< 314 / 349 >

この作品をシェア

pagetop