ブラッド
 俺と他に数名の刑事が居残っていた。


 午前9時を回る頃、伊里町が来る。


 合流し、外回りに出た。


 揃って乗り込んだ覆面車――タクシーが走り出す。


 G県内を走り続けた。


 暇はない。


 助手席でスマホのGPSを見ながら、前方も併せて見る。


 ゴールデンウイーク中も警察官としての仕事があった。


 休めない。
 

 殺人事件の被疑者追跡の任務を担当しているからだ。


 デカとして、抱え込んだヤマには責任を持つ。


 まあ、いろいろと考え方はあるのだろうが……。


 街や山間部など、隈なく見て回る。
 
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