ブラッド
 相方も思慮深い。


 どうしたら、事件が早く片付くかばかり考えてるわけじゃないようだ。


「奢るよ」


 そう言い、互いに食べ終わったのを見計らって、席を立つ。


 伊里町がレジで勘定を済ませ、ちゃんとレシートを受け取った。


 食事代が経費で落ちることがあるのを知っているからだ。


 またタクシーで街を回る。


 単なる一車両だが、いざとなればパトカーへと変貌するから凄い。


 現場となった駅近辺を中心に車を停めて、足を使い、稼いだ。


 少しでも手掛かりを見つける。 


 互いに疲れてきた。


 午後2時を回る頃、いったん捜査を切り上げて、帳場へと戻る。


 捜査本部には刑事が数名いた。



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