落ちこぼれ劣等生
「それに僕はバルト君みたいに運動万能型じゃないしさ…。」
「チッチッチッ。タイプのせいにするのは出来ない奴のやることだぜ?」
人差し一本を立て、振るところがサマになっていて妙に殺意が湧いてくる。
「あーもう五月蝿いなぁ。
どうせ僕は…」
「あー、またジタングが愚痴り始めたー。
…ちょっと他の奴らにちょっかい出してくる。またなー」
いちいちムカつくが、なんだか憎めないのがバルトの特徴でもある。
座席表を確認し、席についてホッとしたのも束の間。
窓から突風が吹き荒れ、綺麗な亜麻色が視界を遮った。
何の気もなしに左を見ようとすると、亜麻色の攻勢は強くなった。顔に当たってくすぐったくなり、ホープは小さなくしゃみをした。
何とか発生源を視認すると、ホープは目を見開いた。
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