最初で最後の恋。


悟にいの綺麗な髪が少しこそばゆいけど夢にまで私がいるのが嬉しくて顔が綻ぶ
暫くそうしていると悟にいは急に動きだし、その綺麗な顔をこちらに近づける
あれちょっと、近すぎないかな?あれ、あれれれれ
なんて思っているうちに悟にいの唇は私に重なってて驚きに目を剥くと悟にいはもっと深く口付けた、縮こまって悟にいの胸をぐいぐいと敵いやしない力で押していると悟にいはその鋭い目を向けた
少し伏せ目に向けられた眼に私はまるで魔法に罹ったかのように全く抵抗出来なくなった
宙に浮いてるみたいに心地良くてふわふわ銀河系をぐるぐると旅をしたみたいな気分になった
そして離された唇からはまたごめんと謝罪の言葉が述べられた、それから何も言わず出て行こうとした悟にいの服を掴んで私の方へ引っ張った
この間までなら絶対にしないことだけど腹を括った女は怖いって知らしめなくっちゃ。
「待ちなさいよ!ごめんってなんですか?!」
そう言うと悟にいは好きでもない男にそんなことされるなんざ一番嫌だろ、と伏し目がちに言いこう続けた。
「でも、止められねーんだよ。」

「どうして、私じゃなくても他に一杯いるじゃないっ!どうして弄ぶ様なこと「好きだからに決まってんだろ」


言葉が詰まった、と言うよりは塞がれたに近い
どうしてそんなこと言うのと言おうとして空いた唇に唇が重なった

「抵抗しないのはイエスと取るぞ、」


息継ぎが難しい、苦しい中私の口は想いを素直に伝えた。

「うん、」


強く抱きしめられた腕に離したくないと強く思った。
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