あなたにspark joy
vol.3

気づくとき

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株式会社デザインタフは、想像以上に立派な会社だった。

鋳造設備のある源川コーポレーションより部所数は少ないけれど、設計課の規模は比べ物にならないくらい大きかった。

設計課には他社からの出向者が私を含め5人いたけど、その他30人はデザインタフの正社員だった。

皆の前でグループリーダーの田辺さんに紹介された後、私は佐伯麻耶さんに呼ばれた。

私が受け持った仕事は、正社員である佐伯さんの補佐だ。

佐伯さんは私より二歳年上の27歳で、凄く華奢な美しい女性だった。

「出来るだけ早く仕事覚えてね。私に補佐なんて必要ないから、邪魔だし」

佐伯さんは私を横目でチラリと見て早口でこう言うと、CADの電源を入れた。

「……はい、佐伯さんの足手まといにならないように頑張ります」

少々怯みながらも私がこう言うと、佐伯さんは完全スルーで先を続けた。

「それから」

「はい」

パーテーションで区切られたデスクに手早く図面を広げながら、佐伯さんは少し低い声をだした。

「あなた源川コーポレーションから来たのよね。源川コーポレーションとうちのデザインタフは社長同士が親友なの知ってる?」
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