キミと恋に落ちる可能性



「はい、これが素顔。……って美樹?どしたの?」


あたしの顔を見た美樹は一瞬固まった。



「いや、なんでもない!ははぁ〜ん、なるほどねぇ〜」


意味深に呟き、悪い笑みを浮かべる美樹。


全く何を考えているのか。



「櫻井先輩が……うっふふ」


終いにはニヤけ顔が酷くなっている。



「ねえ、美樹、なんかキモいけど」


思わず暴言を吐いてしまうほどに。



「安心して!華乃は可愛かった!!」


何が“安心して!”なのかよくわからないけど、安心したよ。


とりあえずメガネを掛け直す。




「私としては今すぐにでも外して登校して欲しいけど…まあ、櫻井先輩が外すなって言うのなら、掛けときな」


まだ治らないニヤけ顔で話を進める美樹。


いや、だからどうした?




< 43 / 237 >

この作品をシェア

pagetop