初恋のお兄さんと私

「……な、マナ??」


聖ちゃんの声に、ハッとする。
いつの間にか公園に来ていた。


天気もよく、爽やかな風が吹いている。遠くでレドリバーがフリスビーで遊んでいる。


「さっきからボーッとして。話聞いてた??」


聖ちゃんの腕が伸びて、彼の胸に抱き寄せられた。


「あいつのこと、考えてたの??」


「まっ!!まさか!!」


最低だ。せっかく聖ちゃんが告白してくれたのに、あんな奴のこと考えてたなんて。


頬を上げられ、顔が近付いた。


『けんぞーさん、ちゅーしていい??』


『くすぐったいよ、マナ』


ほっぺに、チュッと、初めてのキスをした。


こんなときなのに。
子供の頃の記憶が、鮮明に蘇った。



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