ノラネコだって、夢くらいみる
あとがき


 こんにちは、犬甘(いぬかい)です。

 「ノラネコだって、夢くらいみる」を最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

____この物語は、絶望から始まります。

 原宿という街をぶらつくことで行き場のない虚無感を埋めている……14歳の〝絶望系少女〟鈴(りん)。

 校則を無視した奇抜な格好、反抗的な態度から、一見自己主張の強い変わり者だと思われがちな鈴ですが、実はそんなこともなく、控えめで優しい心の持ち主。

 彼女は母方の祖父母と共に生活をしています。わがまま一つ言わず、気を使って生活しているうちに、自分の意志を伝えることも、誰かに甘えることも苦手になってしまいます。優しくしてくれる祖父母たちのことは、『両親を亡くした自分を可哀想だから引き取った』と、引け目すら感じています。

 そんな彼女が逢阪と出逢うことで変わり、成長していく過程を描きました。

 自分に自信を持てない彼女は、きっかけを与えてもらうことで、少しずつ自信をつけていきます。

 その途中、とても辛い経験もしてしまいます。

 人生楽ありゃ苦もあるさ、とは言ったものですが、生きていて楽しいこともあれば、辛いこともあり、むしろ辛いことの方が多いかもしれません。ですが、彼女には『今を精一杯生きてもらいたい』という願いを込めて、書き上げました。

 青春ジャンルではありますが、恋愛ジャンルに負けないくらいの胸キュン要素も取り入れたいと考え、ドキドキとわくわくを詰め込んでみています。

< 210 / 212 >

この作品をシェア

pagetop