縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜
スプーンを口に入れたまま頷いていると、後頭部から衝撃がきた。


「安っぽ…」

冷ややかな一言。

清々しい朝からこんな憎たらしい言葉を吐ける奴は、うちではただひとりしかいない。



「琥珀…」


うちの弟。

年子で、同じ高校に通う1年生。


「人の頭にカバンぶつけんな。へこむわ」

琥珀を睨むと、


「ああ、今日も乃々夏は平凡だな。本当、そのプリンがお似合いだよ」


涼しい顔して毒舌。

人を憐れんだ顔で見てくるんじゃないよ!
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