アナタの過ち
私が一方的に別れを告げた日。
予想外な事に何も起こらなかった。
前みたいに…誰かの携帯使ったり、アドレス変えたりして連絡してくると思ってた。
それが全然。
しばらく経っても、まるでそんな事実は無かったかの様に私の生活から簡単に男は消えた。
でも、それはたった数ヶ月の間だけ。
真冬の2月始め。
私の携帯が1件のメールを受信した。
『え…』
メール本文には見覚えのある名前。
今度は何?
用件は無く、名前と顔文字だけが書かれたメールにイライラした。
受信拒否をしようとした時、ふと疑問が頭を過った。
一体誰がアドレスを教えた?
私は明人と共通の友達なんかほとんどいない。
ナンパの奴らも、もちろん関係無い。
誰なの?
せっかくアドレス変えて落ち着いてきたのに。
ため息をつきながら、もう何度目かわからないアドレス変更の設定をした。
また友達に突っ込まれるだろうなぁ…。
慣れた手つきでサイトの登録情報を変更しながら私は眠りについた。