アナタの過ち
『誰から聞いた?』
単純な一文。
混ざっている様々な感情が、黒い文字をさらに黒くさせる様に見えた。
「なにが?」
なにが?
なにが?って何?
『アドレス』
「誰にも聞いてないよ」
『じゃあなんで知ってるの?』
「秘密ー」
聞いてないとか嘘に決まってる。
『…』
だめだ…もういい。
これ以上考えたくない。
どうでもいい。
毎日、1日1回はメールが入る。
それに対し、半月に1回ぐらいのペースで返す。
拒否したりするよりもこっちの方が悩みが減る気がしたから。
『無理』
『バイト』
『忙しい』
誘いのメールばかりだったから、主にこの3つの言葉のローテーション。
それでも変わらない明人のメールにある意味感心した。