アイボリー～少しだけあなたにふれてもいいですか？

奏汰はきちんと家の前まで送ってくれた。

そして、私が玄関に入るのを見届けて車を出した。

さすがだなって思う。


美鈴は、そのままベッドに倒れ込んだ。

剣道で疲れた筋肉と、おいしいお寿司で心もお腹もいっぱいになってこれほど気持ち良い眠りについたことはなかったかもしれない。

そのまま美鈴は朝までぐっすり寝た。


そして、翌日からは普段通りの生活が始まった。

とても当たり前の日常すぎて、店長のいない１０日間が夢だったような気さえする。

拓海と距離が縮まったことも、美鈴が拓海に恋をしてしまったことも。

少しずつ現実ではないように思えていた。