自殺少女と花見の少年
「君の家はどこなの?」



「あたしの家・・・?なに、気になるの?」



「いや、虐待とかされてる割には服とかちゃんとしてるし・・・。どんな家なんだろうって」



虐待されている子などはボロボロの服を着ている、というイメージがある。

これもきっとドラマや漫画に影響されているだけだけど。



「家はちゃんとあるよ。

親も機嫌がいいときは物も買ってくれる。

それに時々だけど売りに出すんだからそれなりに綺麗にしてくれる」



「なんか、僕が想像してたのと違うね」



「あたしが特殊な例なだけかもしれないから、これを基準にしたらダメだよ」



そう言うと、彼女はスタスタと神社の出口へ向かう。

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