Another moonlight
アキラは配送車をユキのマンションのすぐ目の前に停車した。

リストを手に配達番号と届け先を確認する。

リストから視線を上げた時、ユキの部屋の辺りが視界に入った。

アキラが大きなため息をついて配送車を降りようとした時、ユキの部屋のドアの前に誰かがいることに気付いた。

(なんだ…?セールスか何かか?)

若い男性がユキの部屋のドアの前に立っている。

セールスならチャイムを押したり、留守だとわかったら次の部屋へ移動しそうなのに、その男はドアの方を向いたままじっとしている。

不審に思ったアキラは、マンションの1階に住む住人に素早く荷物を届け、ユキの部屋へと急いだ。

足音をたてないように階段を駆け上がり、その男性の背後からそっと近付いた。

男性は息を荒くしてブツブツ言いながら、ユキの写真を1枚ずつ眺めてはドアポストに入れていく。

「かわいいアユミちゃん…好きだよ…君を僕だけのものにしたい…。僕のこの手で君をめちゃくちゃに汚したいよ…。」

ユキがこの気味の悪い男に何かされたらと思うと、アキラは全身の毛が逆立つような寒気と不快感に襲われた。

(ユキをつけ回してるのはこいつか…!!)

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