夫婦・・として

☆☆慈愛に満ちて


俺の気持ちも・・知らずに・・・・

女医は、言いたい事だけ言って
病室をでた。


俺は、女の医者の文句を言いながら
病院を変わるからな
と、結斗に言うが・・・

結斗と一緒にいるのは、
結斗の彼女で、
あの医者の娘のようだ。

娘から、母は、立派な医者だと
言われ・・・・
結斗からは、
「病院は変わらない
嫌なら、来る必要ない。」
と、言われた。

その上、彼女の家も
父親を亡くしたが、
あの医者は、俺のようには
ならずに娘の為、患者の為に
頑張っているんだ。
と、言われた。

俺は、引き合いに出された
恥ずかしさと、どこに向けたら
良いのかわからない苛立ちのまま
病室をでて行った。

俺だって、わかってる
こんなんじゃ、ダメなんだと
ただ、どうしたら・・いいのか
わからないんだ。

亜紀を失って、心にぽっかり
穴があいた状態の自分自身を・・

すると‥‥‥‥

「先生。
今日は点滴、泣かずに頑張ったよ。」
「そうだってね。
看護師さん達が、誉めていたわよ。
痛いのに、よく頑張ったね。
花音ちゃん、また、元気になって
学校行こうね。」
「うん!」

そんな、会話が病室から
聞こえてきた
俺は、何気なく病室を覗くと
優しい顔をした彼女が
女の子の頭を撫でていた。

その彼女が、
あまりにも慈愛に満ちていて
美しくて、見とれてしまっていた。

どのくらい、見ていたのか・・・

彼女が、女の子の病室を出て
俺に気付いて、
びっくりした顔をしていたが

彼女は、
「佐原さん、先程はすみませんでした。
ご家族の事に口を挟んでしまい。」
と、言うから
「・・いや、いいんだ。
俺も、言いすぎた。
あっ、ああ・・・」

「瞳子先生!こちらにいらしたの
ですか?蓮君が咳こんで」
と、看護師。
「わかった、すぐ行くわ。
佐原さん、すみません。
失礼します。」
と、彼女。

「ああ。」
と、俺。
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