オオカミ御曹司に捕獲されました
ボタンを外す時の梨花のあの真っ赤な顔。

少しは俺を意識したんじゃないだろうか。

シャツのボタンを外すのに十分はかかってたな。

あまりに可愛くて手を出さないでいるのが大変だった。

手を出してしまえば、今の段階ではすぐに家に逃げ帰るだろうから。

梨花に手を伸ばし、彼女の頭を撫でる。

サラサラな黒髪。

まつげも長くて人形みたいだ。

俺が触れても彼女が起きる様子はない。

「ぐっすり眠ってる」

クスッと笑みを溢す。

今日は階段から落とされてヒヤッとしただろうし、その後も俺の仕事のサポートや病院の付き添いで息つく暇もなかっただろう。

おまけに俺の世話。
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