オオカミ御曹司に捕獲されました
「俺が小学生の頃、親父が浮気をしてお袋と別居した。ただの浮気ならお袋も親父を許したかもしれないが、相手の女にも子供が出来て一緒に住めない程憎くかったんだと思う。素直に離婚すれば良かったのに、相手の女と親父が再婚するのが嫌でお袋はずっと離婚しなかった。おまけに、親父が梨花を認知するのも認めなかった」

「……だから梨花は私生児なんですね」

「うちは経済的には裕福でも、家の中は破綻してて、昔は相手の家族の事を恨んだよ。親父は俺に隠れて梨花を見に行ったりしてたしな。高校の時だったか、親父をつけて梨花のおばあさんの家に行ったんだ。梨花の母親がもうとっくに亡くなってたなんて知らなかった。梨花がおばあさんを手伝って庭でトマトを採ってて……普通の子なんだって思ったよ。梨花を憎んでも意味がないってその時わかった。その後も彼女の事が気になってずっと遠くで見守ってた」
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