オオカミ御曹司に捕獲されました
今までの私なら杉本君の腕から慌てて抜け出したかもしれないけど、今の私は違う。

好きな人の側にいたい。

杉本君はぐっすり眠ってるし、私が彼にギュッと抱きついても気づかないだろう。

こんな機会もうないかもしれない。

ええい、抱きついちゃえ!

仰向けに寝ている杉本君の胸に手を当て、彼ともっと密着する。

トクン、トクンと規則正しく聞こえる杉本君の心臓の音。

きゃあ~と一人興奮しながらも、聞いてると何だか安心する。

突然、杉本君が私の身体を抱き寄せ、私は一瞬固まった。

ひょっとして杉本君起きてる?

私が起きたのバレちゃった?

チラリと彼に目を向ければ、目は閉じたまま。
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