オオカミ御曹司に捕獲されました
私は外部入試で入った学園では少数派の奨学生だったけど、彼は幼稚園からエスカレーター式で上がってきた生粋の帝和生徒。

彼の取り巻きはみんな大企業の子弟で生徒会役員。

一般生徒の私からすると天上人のような存在だった。

生粋の帝和生徒ってだけでも近寄り難いのに、その上生徒会長だなんて……恐れ多くて。
クラスが一緒でも親しく話す……なんてこと絶対になかったな。

まあ、杉本君が一般生徒でも話すことはなかっただろう。

だって、同じような場面に高校時代遭遇したから。

今のように王子さまから悪魔に豹変するのをこの目で見たのだ。

壁に隠れてこっそり見ていたから、彼は私に見られたなんて気づいていなかったと思う。
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