オオカミ御曹司に捕獲されました
また杉本君に捕まりたくない。

このままでは胃に穴があく。

漫画を読んでればそれだけで幸せだったのに……。

私の平穏な日常はどこに行ったの~?

「ん?梨花、泣くほど美味しい?でも、慌てなくていいんだよ。梨花と一緒に食べる時間を楽しみたいからね」

杉本君が蕩けるような笑顔を私に向ける。

だが、どうしてだろう?

彼の笑顔を見るとキリキリと胃が痛くなる。

杉本君、私が涙目になってるのは自分を哀れんでいるからだよ。

もうこの位で勘弁して下さい。

みんな私達の事見てるんだよ。

口では本音なんか言えなくて、目で杉本君に訴えてみる。

すると、斜め前の席に座っている江口課長が杉本君に注意した。
< 89 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop