オオカミ御曹司に捕獲されました
「大丈夫、梨花?」

杉本君も心配そうな顔をして私の頬に触れるが、その刹那、ビリビリっと静電気が起きて、私は驚いて椅子から立ち上がった。

ひょえ~!何、この静電気?

ひょっとしてこれは……杉本君の怒りでは?

私がのろまだから怒ってる?

駄目だ。怖くてもう杉本君の顔は見れない。

「ごめんなさい。トイレに行くので失礼します!」

私はみんなの顔を見ずにトレイを持つと、この場から脱兎のごとく逃げ出した。
< 91 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop