Rain Days
家までの帰り道。

気を利かせたヒデが、あたしのことを送ってくれる。

だけどいつもとは違い、一言も話さない。

言いたいことや聞きたいことが、ヒデにもあっただろう。

たぶん、ヒデは気を遣ってくれたんだ。

それが、今はとても有り難い。

いつもより静かで、長い家路。

それも、もう少しで終わる。

見えて来た家に、安堵のため息が零れる。

玄関先まで見送ってくれた、ヒデ。


「ありがとう。それと、ごめんね」


あたしの言葉に、ヒデの瞳が揺れる。

あたしはそんなヒデの返事を待たず、家の中へと入った。

そのまま、真っ直ぐに自分の部屋へと向かう。

そして倒れる込むように、ベットに身を預け、瞳を閉じた。

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