雪に塩
「ねぇ、あの憑舌ってオッサンどうなったの?」


「結局のとこ、杠ちゃんを誘拐した目的って分かった?」



「あんた達、食べてるんだから邪魔しないの!」



矢継ぎ早に質問する見熊と邃巷に、鞠畭は釘を刺す。



「良いですよ。憑舌さん、私を好きだったみたいです。好意があるのは分かってましたけど、まさかそれが恋愛感情だとは………。」



プレゼントならキャバ嬢達も貰っている。


それも、アクセサリーや服など杠よりも高価なものを。



だから、アクセサリーをあまり着けない自分には代わりに花束だっただけだと思っていたのだ。



「憑舌さんの会社、なんか不正があったみたいで。会社が維持出来なくなったのもあって、私を監禁して一緒に過ごしたかったみたいです。」



平日にも関わらず従業員がいなかったのは、給与が払えず辞められてしまったから。



リコールの隠蔽、赤字の揉み消し。


自分で興した会社さえどうでもよくなり、杠と2人、家で過ごしたかったらしい。



「なにそれ!キモッ!」



言い方はともかく、きっと誰もが見熊に同感するだろう。


杠の気持ちなど考えず、身勝手この上ない行為なのだから。
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