極上イケメン拾いましたっ!
陽斗君にそう言われ、自分が泣いていると気付く。
頬をポロポロと伝う涙は、後から後から零れ、止まることを知らない。


ゆっくりと陽斗君が近づいて来て、私の頬に手を添える。
その長い指が私の頬を撫で、零れる涙を拭い取る。
見詰められた陽斗君の瞳に私が映る。


「誰が泣かせたの?董子さんを。」


陽斗君の問いに、ただ首を横に振るだけ。


「じゃ、どうして泣いてるの?」


その問いにも答えることが出来ず、また首を横に振る。


陽斗君のその優しい言葉に、さらに私の涙は止まらない。


頬に添えられた手にゆっくと力が籠る。
その手はゆっくりと後頭部へ回され、陽斗君の広い胸へと引き寄せられた。
私の鼻腔は、陽斗君の香りで満たされた。




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