極上イケメン拾いましたっ!
「言ったよ。董子さんの口から、ヒモにしてくれるって言ったからね。約束ね。」


彼はそう言いながら、嬉しそうにその綺麗な弧を描いた唇の端を上げながら、私から離れて行った。


上がる息を整えながら、酸素を脳に送り込む。
覚醒し出した脳が、今、安易に口走ってしまった内容に、今更ながら後悔した。



見ず知らずの、さっき会ったばっかりのこの子をヒモにするだなんて。
馬鹿げてる。
どう考えたっておかしい。


目の前で嬉しそうに毛布に包る彼に、一瞥を送る。
どうしたの?と言わんばかりに、小首を傾げて来る。
その仕草に、女の私がキュンとした。


目の前の彼は、イケメンの枠を飛び越えた、極上のイケメンだった。


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