消えてしまったあなたへ
あぁ、あぁ、僕はなんてことをしてしまったのだろうか・・・トラックのせいなのに、なぜだか僕を責め続ける。次々と来る野次馬の中に1人、頭を抱えてしゃがむ少年がいる。周りからみると、それはちっぽけに見えたに違いない。一瞬だけ氷よりも冷たい視線が僕に当たる。それがとても辛い。僕は立ち上がり、少女の元へ走り、次々来る野次馬の中を一目散に走って、飛び散った残骸の一つを持ち、素晴らしいような有彩色の赤色の絵の具を垂らしながら走っていく。つらいのに、くるしいのに。だけど僕は幸せだった。「ようやく僕の中にあの少女を入れることが出来る!」笑顔で。口と目をぱっかり開けながら。僕は狂ったように走っていく。まるで宝くじの1等をとったかのように。そして山へと走っていき、少女の残骸を天に掲げ、僕は叫んだ。「俺は勝った!!!」なぜこんなことを叫んだのか。俺でもわからない。そして走りながら少女の残骸を減らしてゆく。どう減らしたのかは今でもわからないけど、少女の残骸は消えていた。
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