教師なんて…
『ごめんね。呼び出して』
ホームルーム終了後、飛鳥とさよならをして
私は数学準備室へと急いだ。
『単刀直入に聞くんだけど、月島さんは進路変更
しないつもり?』
3年になってすぐの進路調査で私は就職を選んだ。
学歴は欲しかったけど、早く親の管理下から
外れたかったからだ。
「はい、しません」
『勉強出来るし、地元の国立大なら充分狙えると
思うけど』
「就職します」
はっきりと言い放った言葉に前島は一瞬眉をひそめた。