その羽根を僕にください
気が付けば僕は自分の体を見下ろしていた。

夢でも見ているのだろうか。



…病院?

何で透のお兄さんが僕に処置しているの?

ちょっと、真由ちゃん。

どうしてそんなに泣いているの?

父さんも母さんも。

どうしてそんな深刻そうな顔をしているんだよ?

祥太郎も…。

そーちゃんも。



みんな、何しているの?



で、僕。

どうして目の前に僕がいるの?

…これって幽体離脱?



「ピンポーン」

後ろから声が聞こえた。

ゆっくりと振り返る。

「…誰?」

見たことがない顔。

「ピンポンピンポン!!」

目鼻立ちのはっきりしている、僕とは正反対の顔つきの女の子は僕の額を人差し指で突いた。

「君はもうすぐ、死にます」

「…はい?」

その死にます、って何?
ケンカ売ってるの?

僕は腕組みをする。


ついさっきまでの出来事を思い出そうとして意識を集中させた。
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