君依存
「いったじゃないですか。本気で奪いに行くって」

本条君は、笑顔で岳のほうを見た。顔は笑っているのに、どうしてか、目は笑っていないように見えた。

岳の手に力が入る。

ふみかはその手に目をやった。

「デートくらい誘ったっていいですよね?」

「だから、こいつは、俺と付き合ってるの」

「付き合ってたっていいです。先輩を振り向かせるためですから」

そう言って、ふみかの手を引っ張り、自分のほうへ抱き寄せた。

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