ポプリ
「せーとかいって、昨日の苺の人たちと一緒だねぇ」

「……………………苺、とは…………」

 物凄くゆっくりと、問いかけられた。

「苺って、あの生徒会長のお姉ちゃんだよ。やっぱり女の子はかわいい下着はいてるのがいいよね。花龍は今日どんな下着?」

 思いっきり爽やかな笑顔で何を訊いているんだこいつは。

「えっ? ……ええと……今日は、ピンクの水玉ー」

 ざくざくとスコップで土を掘りながら答えてしまう花龍。

「ピンクの水玉、かわいいね! 花龍に似合うと思う!」

「……そ、そう?」

「うん! あとリボンついてるのとか似合うと思うよ!」

「……持ってる」

「じゃあ明日はいてきて!」

「うん、いいよ」

 オイオイ。

 なんという会話をしているのだ、という初等部コンビの横で、冬樹はぼーっとした顔で呟いた。

「………………苺と下着は、どのような、関係が……」

 ……まだその話題で止まっていたようだ。意識が宇宙の果てまで飛んで行ってしまう、ちょっとのんびりなおとぼけさん。


 球根を植えている間、意味が通じているのかいないのか、良く分からない会話が続いたという……。









 そしてそんな三人を、物陰から雪女と子狸がこっそり見守っていると思う。




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