雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「興味……か。そうかも……な」


「え、マジで!?」


「声でけーよ」


「それ、いつから?」


「いつからって?」


「だから、いつ頃から桜川の事気になり出した? 最近?」


 悠李の質問に、律樹はちょっと考えてから、独り言を呟く様に答えた。


「……最近のような、もうちょっと前のような……?」


 悠李は何やら、一人ふむふむと頷いている。


「それは、きっと恋だな」


「恋?」


 律樹はまさか、と驚いたように目を見開いた。悠李はその反応を見て、やはりしきりに頷く。


「いや、俺はそういう意味で言ったんじゃ……」


「じゃ、どういう意味?」


「どうって、だから」


「説明出来ないだろ? 桜川の事が気になってるって事は、そういう事だろ」


「気になるだけで、好きとかそういうんじゃない」


 あーもう、と悠李は自分の髪をクシャクシャと掻きむしった。
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