雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 裏通りに静かなカフェを見つけた二人は、ワンコインランチにひかれて迷わず入店した。

 窓側のテーブル席に案内され、千咲希はオムライス、穂香はロコモコ丼をオーダーすると、お互いに顔を見合わせる。


「で、話したい事って?」


 穂香が切り出すと、千咲希はコクリと頷いた。


「もっと前に、言おうと思ってたんだけど……」 


「うんうん」

 
 穂香は身を乗り出して、千咲希を見つめる。


「私、ずっと気になる人がいて……」


「気になる人? 関根っち以外に?」
 

 それに千咲希が小さく頷くと、穂香は声にならない溜め息を漏らした。
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