隣に住むのは『ピー…』な上司
巣引き
「子育てをするのは哺乳類と鳥類だけ……」


ネットの検索ページに書かれた文章を読み上げた。


「それだけじゃないぞ。鳥は人間よりも律儀なんだ」


隣で眠っていると思われた人が目を開けた。


「どういう意味?」


擦り寄ってくる彼の手が私の胸を擦った。



「っ…!」



ビクンッ…と跳ね上がる体の反応を楽しんで、悪戯っ子のような目をした。


「鳥は一夫一妻制なんだ。相手が死んでしまったら他の相手とはカップリングしない」


「一途な…の?」


吸い寄る彼の唇が音を立て始める。


「そうだ」


唇を奪われて相槌も打てなくなってしまう。



「かちょ……は……?」



冷めやらぬ興奮が身を包んでいく。

熱い吐息に混じって課長の声が聞こえました。



「藍だけだって言うだろ……」



「まさ……ふみさ………んっ…!」


さっきから何度目かと思うくらい翻弄されている。

課長の愛情なしでは生きていけなくなるかもしれない。



「繁殖のことを何て言うか教えておくよ」



「何て言う……の……」


「巣引き。丁度こういうことを言うんだ」



「やっ……!」



意地悪く責めるのは止して。

私はもう体がついていかない。



「待たせたりするからだ」


「そんなの横暴すぎ……」



小日向課長の胸の中でする呼吸は、これからもますます熱くなっていきそうです。




おしまい




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