君がうたう七つの子
僕の幽霊少女
どこからかふるさとのメロディーが聞こえる。

子供たちはそれを聞いて互いに競い合うように急いで家路につく。

僕は子供たちが土手の上を競争しながら家へと走っていく中を避けるようにして、彼らとは逆方向へゆっくり歩く。

すれ違う時、彼らは僕に元気よく挨拶をした。
僕も元気に、とまではいかないまでも挨拶を返す。


そういえば、最近テレビでよく近頃の子供はとか、若者はなどと話す人をよく見るけども、それは彼らの勝手な主観にすぎない。

彼らの見てきた子供、あるいは若者は彼らの周りの人物に限定されていて、その他を見ていない。見ようともしない。

少なくとも、この町には優しくて元気な子供たちがいる。

きっと彼女もそうだったのだろう。

この土地で彼女は生まれ、遊び、泣き、怒り、笑い、そして――――

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