最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~

えっ?今なんて……?

声が小さくてハッキリとは、
聞き取れなかった。

ジッと恵梨香のお兄さんを見ると
向こうも私を見てきた。
「今……なん」

しかし恵梨香が
「ねぇねぇ愛美。お兄ちゃん。
このドレスどうかな?イメージチェンジとして
大人っぽくしたいんだけど」
大声で私達を呼んでくるため聞きそびれてしまった。

もう聞きそびれたじゃない!?
そう思いながら振り返ると驚いてしまう。

恵梨香の選んだのは、
真っ赤な素材のウェディングドレスだった。
しかも大人っぽいと言うかかなり派手でセクシー。
正直に似合わない。

小柄で童顔な恵梨香は、
そんな派手な色使いよりもピンクや白の
可愛らしいドレスの方が似合うのに……。

「ちょっと派手じゃないのか?」

「そうかなぁ~?
真っ赤で綺麗な色だと思うんだけど……」
どうやらそのドレスにしたいようだ。

似合うか似合わないかなんて
もう私には、関係ないしどうでもいいはずなのに
やっぱり……あのドレスはないわ!!

我慢が出来ない。

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